介護タクシーの約3割が違反営業??
介護タクシー事業者として運営するためには許可制度に則り、様々なルールを守らなければなりません。
その中の一つに、車の内側に表示が義務付けられている車内表示や、車の外側に表示が義務付けられている車体表示があります。
許可を受けた際にはしっかりと説明もされますし、仮に説明が無かったとしても介護タクシー事業者として法令や規則には目を光らせて運営を行わなくてはなりません。
我々のようなサポート窓口を設けていると何と勘違いをしたのか、介護タクシーを利用した利用者様からのクレームや、よその介護タクシー事業者への密告のような電話をいただくことがあります。
我々にとっても有益な情報があったりするので、時間がある時はお話を聞いたりしているのですが、同業他社へのクレームもかなり目立つようになってきました。
なかでも多いのが車体の表示について。
車体表示がしてないじゃないか!なんでマグネットでやってんだ!
介護タクシーとして運行する際、両サイドに「事業者名」と「限定(福祉)」の表示をしなければならないことになっています。
関東運輸局管内以外の管轄ではちょっと表示内容が異なるようですので、それはしっかりとお調べいただきたいのですが、この表示は絶対であり、取り外せるようなものでは認められません。
従って、カッティングシートやステッカー、ペイントなどによって表示を行わなければならないことになります。
車体表示は車両の外側に貼るものなので、やはり目立ちますからしっかりとやらなければ密告にも繋がります。
密告を受けて警告をされた際に、車体表示が必要だと知らなかったと逃げる方もいるのかもしれませんが、まずこれは無理です。
本日、進行中だったご依頼人様の運輸開始届を提出してきましたが、この運輸開始届にその根拠があります。
介護タクシーの運輸開始届に車体表示をした写真を添付しなければなりません
運輸開始届とは許可を受けた事業者が車両の登録や正しくこの車体表示などの準備を済ませて、実際に開業したことを知らせる届出です。
車両の両側面に車体表示を施した状態の写真の添付まで求められます。
仮に車体表示をしていない車両の写真を添付すれば、言うまでも無く確認や修正の連絡が入りますから、車体表示をしなければ運輸開始届は受理されません。
それでも車体表示がされていないということは、意図的に剥がしているということ。
とっても悪質である証拠をおおっぴろげにさらして運行しているのと同じなのです。
介護タクシーについては国の監査業務が追い付いていない??
しかし、何故、このような事態に陥っているのか。
しっかりとルールを守って運営されている方々がバカを見るようなことにはなって欲しくありません。
そこでちょっと気になっているのが、国による監査について。
近年のバス事故なんかでバス事業などでは定期的な監査などが行われておりますし、通常のタクシー事業者についても同様です。
しかし、介護タクシーについてはこれまでに監査が入ったということを聞いたことがありません。
運営する側にしてみればこれはこれで喜ばしいことなのかもしれませんが、こういった状況では、ルールを守れない人が出てくることも確か。
ルールを守ってやっている事業者さんは監査があったとしても恐れることはありませんから、やはり監査などの行政の目が厳しくなった方が正直者がバカを見るような状況は避けられるはずです。
最後は介護タクシー事業者それぞれのコンプライアンス意識
近年、何をやるにも騒がれているコンプライアンス。
介護タクシー事業においても例外ではありません。
守って当然のルールを守れない業者についてはいつか痛い目を見る日が来るのでは無いかと感じます。
どのようなつもりで介護タクシーを運営されているのかはわかりませんが、命を預かる商売なのだから最低限のルールは守って欲しいものです。
そもそもルールを守らないのであれば、許可なんて取る必要もない気がします。
なかなか個の力では難しいのかもしれませんが、国の規則に意見があるのであれば、声を上げて変えて行くことが重要。
単にルールに反発して法の裁きを受けるだけのようなことは避けていただきたいものです。